『Grlガール』は、バレリーナを目指すトランスジェンダーの少女の葛藤を描いた、カンヌ映画祭受賞作です。
目次
ネタバレ・感想
LGBT映画が色々と取り上げられるようになっている昨今。
トランスジェンダー役をシスジェンダー(身体的性別と性同一性が一致している人)が演じることについて、
色々と意見が分かれているようですが、監督のルーカス・ドンらが多くの少年少女、もちろん
トランスジェンダーの子もオーディションし、探して見つけたのがビクトール・ポルスターでした。
なので、よくぞ見つけた❕と思いました(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ
ララ役、ビクトール・ポルスターが少女にしか見えない
キャスト、主人公のララを演じたビクトール・ポルスター君が透明感溢れんばかりで秀一でした。
ハリウッドではトランスジェンダーの役をシスジェンダーが演じることに対しての意見の相違が大問題になっているようですが。
ララ役のビクトール君に違和感は感じられませんでした。
寡黙で、あまり話さないララを、目線だけで表し、細かい感情の機微を見て取ることができました。
と言っても、これは、見る観客が感情移入して観るからそうなのかもしれませんが…。
お父さん、思春期の娘の部屋にノックもしないで開けちゃダメ‼
二度あったぞ!二度目はノックしたけれど、ノックしてすぐに開けたじゃん
とはいえ、とてもララを愛している、ララの父親。
トランスジェンダーであるララのことも、バレリーナを目指すことにも理解と協力してくれています。
だからララがバレエ学校に編入するために、引っ越さなければならなかったけれど、
そんなことは何でもないことだと言ってくれました。
家族関係は、とてもいいんですよね。
弟のミロも可愛いし。
弟が服を着たがらず、ごねるシーンがあるのだけれど、これは象徴的だなと思いました。
カウンセラーのアドバイスにー?
手術が2年後ということで、カウンセラーはララに
それまで時間を無駄にしないで、今を楽しみなよとアドバイスするのですが…。
カウンセラー、ララにどんな男の子が好み?みたいなこと聞いていましたけど、
ララは、BFが欲しいというよりは、
女の子たちと同じことをして楽しみたい、ガールズトークをしたいんじゃないかと見えました。
それは、授業の始まる前のレッスン室で、女子たちが自由奔放に踊っているのを羨ましそうに見ていたからなんですが。
思春期の女の子は残酷
クラスメイトの厭味ったらしい、陰湿ないじめにあうララ。
クラスメイトに「シャワー浴びたら」と言われ、曖昧に断ろうとするララ。
明らかに、ララの反応を試している。
そういえば、シャワーのシーンは?だったのだけれど…?
なんで、下着付けてるの?
シャワー浴びてる他の女の子、ブラとショーツ付けてたんだけど…?水着…?じゃないよね、あの流れで?
放映上の何かなのか?
教室でしていたあの、ビンタのはりやっこ、アレ何?
極めつけは、お泊まり会のセクハラいじめ
ララにチ○コ見せろと言う女の子たち
更衣室で、私たちの裸を見てるじゃないか――と
一人くらいは、「やめなよ」と言ってくれたのですが
これって、完全にセクハラだよなぁ…。
裸じゃなくて、チ○コだもんなぁー…。
ララに対しては、「女の子なの?」と詰問してましたけど、彼女らは一体、どっちで見ていたのだろう?
ララを“トランスジェンダー”として見ているのか?男の子として見ているのじゃないか?と思った。
少なくとも、女子としては見てないよなぁ…。
痛々しいテーピングが象徴的
ララは、裡からも外からも傷つけられている。
ララの年齢だと、ポワントは、大変だと思う。
徐々に慣れさせていくのを、いきなり――は、もう、そのテーピングした足先は、本当に痛々しい…。
この映画で象徴的なテーピング、
レオタードを着るためにララは股間をテーピングして抑えつけていますが、それは父親に止められているのですが、…。
そのテーピングのために…これも痛々しい…。
押さえこんで抑え込んで、合わないシューズに足を入れ、合わない服を無理やり着続けている、――…。
トランスジェンダーって、そんな感じなのでしょうか?
監督は実在する、バレリーナを目指すトランスジェンダーの少女の話に感銘を受けて、この映画を撮ったようですが、
意図したものか分かりませんが、映画の中のあちこちに、
“トランスジェンダー”を理解するヒントが隠されているような気がします。
冒頭のピアスを開けるシーンが伏線になっていたのか…。
クライマックス、氷を出したあたりからヤな予感…
えっナイフじゃなくて、ハサミ⁉
ギャーッやめて――‼バッタシ…!
まとめ
トランスジェンダーでありながら、バレリーナを目指すという、過酷さ、
そして、思春期の危うさを感じる映画でした。
ララ役のビクトール・ポルスターの透明感ある演技。
とにかく一言で言って、「痛々しい…」と感じてしまった。